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梅雨明け十日。

執筆者の写真: 鈴木ひでひと鈴木ひでひと

お疲れさまです。


更新が毎度毎度ご無沙汰になってしまうこのブログですが、もうすっかり梅雨も明け

そのあと10日は厳しい暑さが続くと言われる「梅雨明け十日」の頃合いです。

皆様はお変わりなくお過ごしでしょうか?アタクシは、えぇ、おかげさまで元気です。


お越しくださいましてありがとうございます。日々料理、日々和装、日々ぐうたらの

ひでひとです。今日は、最近ブログを始めた方に刺激されて更新してるカンジですね笑



さて。


アタクシの担当している天宏本館はコース料理でおもてなしをしております。季節ごとに

素材はもちろん器も変え、またお客様によりましては、掛け軸などもお集まりの趣旨に

沿ったものに致します。慶弔にあわせてというヤツです。


料理人というものは「丸裸」でお客様に相対していると思っております。あ、いや、コレは

ですね、本人の感性や味覚などをひっくるめて、自分をさらけ出すという意味合いです。

どんなお料理でも基になるものがあり、それをそのままでもいいですし、アレンジするのも

もちろんいいでしょうね。それが、「これが美味しいと思います」とか「こう盛り付けて

みました」というのが、料理人の全てとでも言えるでしょう。

また、料理のみの職人の立場ではなく、お店の主たる人であるならば、そのお店の設えなどの「物」だけでなく「人」の言動にも責任があるわけですな。


新メニューとでもいいましょうか、そういったものをお出しするまでにはあれやこれやと

試行錯誤して考えて悩むこともあるのですが、それも最後の判断は料理長であるアタクシが

致します。それはコースのなかでの一品ですので器の取り合わせや味付け、盛り付けも全体

のバランスを考えます。別館「椿」では和膳や丼物なので、それ単独での勝負ですな。


今夏の新メニュー「カニの身のゼリー寄せ 夏野菜添え」

こちらも新メニュー「甘々娘の茶わん蒸し コンソメ仕立て」



そこで、こちらの感性が問われるわけです。そんな大げさなものでもないのかもしれませんが、お客様は大切なおあしと時間を天宏のために使ってくださっているのですから、こちらも、その気持ちを大切に、料理と人でおもてなしをしなきゃなのです。この辺は日々の仕事をただ「こなす」だけになりますと、疎かにしがちです。忙しさにかまけて、なんてぇのは

言い訳でして、忙しいかヒマかに関わらず真剣に取り組むのが「当たり前」なのです。

この「真剣さ」、そして感性をさらけだすというのが「丸裸」なのですね。そして、これは

極端な話ですが、別館「椿」の天丼や刺身定食でも、お店の評価が決まると思っています。

その味や雰囲気が「本館やうの花はどんな感じなのだろう」という期待感をもっていただき

こんどの集まりには本館や「うの花」に行ってみように繋がってくるのですから。


丼物では、メインの丼にお味噌汁、漬物だけです。これで、お店の評価になるのでひとつ

ひとつが気が抜けません。アタクシも別館「椿」を担当していたこともあったので、

お刺身の一切れ、天ぷらひとつでも責任とそれに伴う「こわさ」も感じていました。

良いコト悪いコトすべてが評判になり、最近ではSNSで広がっていく場合もありますから

なるべくいい情報が広がるようにすれば、それは宣伝にもなります。そして、お客様が

気に入ってくださるお店でしたら、きっとまたお越し下さるでしょうし、人にもご紹介

いただけていると思います。その時に「あの人、いいお店知ってるね」と言われるように

紹介した方もちょっと自慢できるようなお店になれるよう「丸裸で真剣勝負」です。苦笑

そして、これだけ多くの外食産業があるなかで少しでも記憶に留めていただけるのならば

この「真剣さ」も「丸裸の覚悟」も報われるってものです。



英語で「丸裸」はFull frontal フル・フロンタル と読むそうですな。

そういえばこんな名前のアニメのキャラがいました。彼はもちろん丸裸ではなく仮面を

かぶって赤い機体に乗っていたのも、彼の「真剣な覚悟」であったのかもしれません。


ここまでお読みくださってありがとうございました。この次にお会いする時まで皆様に

ステキなコトがたくさん訪れますように。それでは、また。ごきげんよう。




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