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  • 執筆者の写真鈴木ひでひと

「本質」

更新日:2019年7月31日

お疲れさまです。


新元号にかわり一ヶ月が過ぎまして、このブログも遅々として進んでおりませんが、

みなさまいかがお過ごしでしょうか?


季節先取りのような暑さがひと息ついたかと思えば、そろそろ梅雨入りですね。

なんとも季節の移ろいは時期を違わずに確実に訪れるものですな。


お越しくださいましてありがとうございます。ひでひとです。毎度お馴染みののんびり

進行でいきますので、どうぞお付き合いのほどよろしくお願い致します。





さて、「本質」なんてぇご大層なタイトルなんですが。


アタクシ共料理人は、お料理をお客様に楽しんでいただきその売り上げから日々の糧と

いいますか、おまんまが食えるっていう寸法ですな。そりゃいい材料をふんだんに使って、なおかつお安くすりゃ、儲けはともかく、よそ様よりは人目も引くし商売の競争にも

勝てるかもしれません。




思うに。

水とか風とかってぇのは、決まった形なんてモノはありゃしませんね。ましてや目には

見えにくいのですが、そりゃ確実に存在はしているんですな、これが。そして面白いのが、水も風もサラサラとせせらぎのようであったり、そよそよと頬を撫でるようであればこれはもう何の妨げにもなりません。水も風も、ひとたびまとまれば災害になってしまいますが。


せせらぎは川の流れのなかで、大きな石に当たればそのながれを変えます。風も樹々を

揺らしながら進みますが、必ず元の姿のままです。





町なぞ歩いておりますってぇと、正面を向いてお歩きになっていらっしゃるのに、まるで

ぶつかりに来るかのような御仁もいらっしゃいます。えぇ、年齢とか関係無いですね。

市場にもいらっしゃいますよ、そんな人。



なんと言いますか、そのぉ…。




威厳とか貫禄というものはですね、微塵も感じられないんですな。そこにあるのは安っぽい威圧とか威嚇です。動物とかのアレ。もしもぶつかろうものなら、いろいろとややこしい

ことになるのは明々白々ですなぁ。


実際にアタクシをご存知の方はお分かりでしょうが、背は低いし色白で、なで肩ですので、

威圧も威嚇も貫禄もクソもあったもんじゃあありません。ですので、こういったぶつかってくる御仁には努めて当たり障りの無いように過ごすワケですな。


それでも若い時はぶつかって来そうモンなら、こっちだってカチンときたモンですが、

そういうもんじゃあないお年頃です。そんな時にいつも頭に思うのは、大きな石や大樹に

当たっても石や木を変えることもなく、しかも自らの本質は変わらない風や水のことです。

決してぶつかってどうこうするのが、自分を高めるわけでもないですからね。



商売も似たようなもので、どこかと競ったり何かとの優劣を気にしたりするものでは

ないんです。料理人は料理が本道、競ったり気にするなら過去の自分であるべきだと

思うのですね。これだけ外食産業が多くなり、24時間営業スーパーやコンビニで簡単に

食べ物が手に入る時代なら尚更のこと、自分の本質を見極めて、それをお料理を通じて

表現するのが料理人、といいますかアタクシの目指すところであります。


いやぁ若輩者がえらそうに物を言いまして、お気に障りましたなら、アタクシこういう

理屈っぽいヤツなんで、これからもどうぞ鷹揚の御見物をお願い致します。




もうすぐ梅雨入りのようですね。庭園の紫陽花が見頃です。雨降りともなればお足元も不便になろうかと存じますが、お食事がてらどうぞゆるりとお楽しみいただければと思います。






今日もここまでお読みくださってありがとうございました。この次にお会いする時まで皆様にステキなコトがたくさん訪れますように。それでは、また。ごきげんよう。

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