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執筆者の写真鈴木ひでひと

今頃「令和」初?

お疲れさまです。


大型連休も過ぎ、新元号に変わりましたが、みなさまいかがお過ごしでしたでしょうか?

随分ご無沙汰してしまいました。そうです、今更ですが令和初のブログ更新です。


お越しくださいましてありがとうございます。ひでひとです。相も変わらず本館の板場で

バタバタしたりぐうたらしたりしております。


季節も青葉の頃を迎え、日差しも強く感じるようになりましたね。こうなってくるとお料理は初夏の雰囲気が欲しくなるというものです。


素材では季節を表し、器や盛り付けでは「過ごしやすさ」を表すのだと思うのです。


例えばこの時期のカツオのお刺身。言うまでもなく目には青葉の言葉通りに2kg後半から3kg前半のものは今が美味しい季節です。

「あぁ、初ガツオの季節だね。」と思わず声に出ます。



このカツオの出回る時期の清々しさを器で感じてもらったり、もっと季節が進んで汗ばむ

時期ともなれば、その鬱陶しさを忘れていただけるような盛り付けや器使いをいたします。

暑さが厳しい時ほど、器の余白を広めにとって高さをだして盛りつけます。また器の素材も、備前や信楽ならば冷水に浸しておき軽く押さえ拭くことで涼しさが感じられます。

もちろんガラス製品を使ったり、大鉢に砕氷を敷き詰めるのもいいでしょう。

青葉を添える時にも霧を吹き、みずみずしく生き生きとした方がよろしいですな。


          刷毛目を海の波に見立ててみました。



冬のお料理も同じことで、上等な鯛と蕪を使った鯛かぶらなどは柚子の皮を千切りにした「針柚子」を添えます。そして、寒さを少しでも忘れていただけるように、器そのものを

温めお客様が蓋を開ける時に、ふたに触れた指先から暖かさを感じていただき、開けた時

の湯気や柚子の香りも楽しんでいただけるように心配りをいたします。


特に本館の会席コースでは器の取り合わせも、形や素材、大きさなどあまり揃わないようにし、季節感や「過ごしやすさ」も伝わるように、また同じお料理でも盛り付けや器、懐敷などがかわると随分と印象が変わるものなので、それがマイナスにならないように気をつけています。


時はうつろいとどまることはありません。お客様との出会いも一期一会であるならば、そのひとときを大切にして、お心に留めていただけるように、ぐうたらしつつもお仕事はガンバッテおりますです、ハイ。




実は今日(5月16日)は天宏にある観音さまの祈願祭でした。twitterでお知らせしましたが、天宏が見付に居を移しましてしばらく後に建立されたものです。なんでも霊感の強い方に「お店の入り口で白髪のご婦人が見守ってくれていますよ。」と言われたそうで、信心深い大親方と大女将は早速観音さまを建立しました。台座には浜松在住の書家、金山土洲先生が坂村真民さんの「念ずれば花開く」を揮毫してくださったものを彫ってあります。


白髪のご婦人とは、アタクシの祖母だそうです。息子である大親方が言っていたので間違いはありません。着物で白い割烹着を付けて元気な頃は若い板場衆も随分と厳しくしかられたようです。祖母も市内の料理旅館で働いていた経験もあり料理もできるので、モタモタしていると叱られたのでしょうね。


あ、今のぐうたらなアタクシを見たらおばあちゃん、どう思うでしょう?話の流れとは

言え、ちょいと反省しなくちゃあいけない雰囲気になりました(苦笑




今日もここまでお読みくださってありがとうございました。この次にお会いする時まで

みなさまにステキなコトがたくさん訪れますように。それでは、また。ごきげんよう。

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