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  • 執筆者の写真鈴木ひでひと

技術。

更新日:2022年10月3日

お疲れさまです。

今日は朝は少し寒かったのですが、日中は風も弱まり、日溜りは暖かかったですね。


昨日の朝は風が強く、浜松市場へ向かう新天竜川橋上では風にあおられました。

真冬にわずかにしか経験しないコトがこの季節に起こるとちょいと面くらいますな。

浜松市場内は通路が東西南北に通っているので、非常に風通しがイイです。といい

ますか良すぎで、まるで吹きさらしの中にいるように冷たい風が吹き抜けていきます。


お越しくださいましてありがとうございます。ひでひとです。

ご存知かもしれませんがアタクシ、寒いのはもう苦手です。なんなら、イイニオイの

するキレイなオネエサンが隣にくるのももっと苦手です。アタクシを苦しめるなら

キレイなオネエサン連れてくると大喜び 


じゃあなくてニガテです。苦手。(笑



あーすみません。



今日は技術っていうコトについて書こうと思いますので、どうぞごゆるりとお過ごし

下さい。アタクシ達料理人は「職人」と呼ばれる技術職の中の一つです。

職人には他にもたくさんありますな。大工さんや左官さんなどの建築関係から

工芸の塗り物や焼物でも職人さんが多数いらっしゃいます。カッコイイ呼び方だと

「マイスター」や「クラフトマン」とでも言うのでしょうか?


以前、書の御稽古に行っていた頃、書の師匠に「あまり筆を見せるな」と言われたことが

あります。また写真の教室に通っていた頃も「機械に頼りすぎるな」とアドバイスを

いただいた事もありました。コレ実はお料理に例えますと「小手先で料理をするな」という

ことになるかもしれません。


ご承知のとおり「日本料理」は季節を表現し、旬の素材を大切にしています。そして

あまりにも奇をてらいすぎて、そのお料理が「何を目指しているのか」がわからなく

なっては、「誰に喜んでいただくのか」さえも立ち位置が危うくなりかねません。



バブル期の頃から何年間か「無国籍料理」や「創作料理」と呼ばれたお料理が

巷にあふれた時期がありましたね。アタクシはどうも古い人間でして、あのような

範とするものが無く、まるで根無し草のように漂っているような仕事はどうも性分に

合いません。やはり、と言いますか最近ではすっかりそんなお店は無くなりましたね。

それも技術に裏打ちされている仕事でしたら、きっと残っていくはずなのです。今では

定番となっているお料理の中でも、比較的歴史の浅いものは意外と多くあるものです。




日本料理の特徴で「お魚の生食」があげられるかと思います。お刺身やお寿司など

ですね。これは酢で〆たりすることを除けば調味料で味付けしない仕事です。では、

どこで美味しさを作り出すのか?お魚自体のネカセや選び方など素材にかかる部分も

多くあります、そしてなによりそのいい素材を活かすには包丁と腕前です。

よく切れる包丁でそのお魚の魅力を最大限に引き出すように切り出すのです。

ノコギリみたいなボロボロの包丁やナマクラでは、いい素材が台無しです。また、

脂ののり具合や、部位、鮮度など、切り出す厚さや大きさによって味は変わります。

極端な例をあげると、河豚をカツオのように厚切りしても、カツオを河豚のように

薄造りにしても美味しくないのです。「美味しい大きさ、厚さ、そして食べごたえ」が

良いバランスでいることで切るだけの行為が「料理」になるのです。


創作料理なども見かけや流行などで一時は人気が出ることもあるでしょう。

しかしそれは「一時的」でそのお料理がこの先何年も残るには、どこかに基本がないと

続いていくことは難しいと思っています。厳しい言い方をすれば「素人の小手先で

何ができるのか」というコトです。まぁ乱暴すぎる物言いですけどね。


スープやソースなどは手間を惜しまず、丁寧に作ると聞いております。しかし、食べる

までは既製品でも同じ液体。決して「オレは最高のソースだぜぃ!」なんて、

自己主張していないのです。本当にいい料理とはそんなもので、本当に美味しいものは

あまり華美に飾りつけなくても口にしただけで十分に魅力が伝わるはずです。



桜の猪口にはアン肝、桜の花の塩漬けには酒粕ゼリー、小鮑、車海老塩焼き、鰯梅煮、

菜の花辛子和え 長芋の上には炙り唐墨


あ、オネエサンはちょっとはメイクして、ステキな服着てくれてるとイイですな。

少し華やかなのがイイかなと。えぇ、もうニガテです苦手(笑




今日もここまでお読みくださってありがとうございました。この次にお会いする時まで

皆様にステキなコトがたくさん訪れますように。それでは、また。ごきげんよう。




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