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  • 執筆者の写真鈴木ひでひと

「冠」が気になって

お疲れさまです。


またまた随分とご無沙汰になってしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

先日の台風15号で静岡県は大きな被害に遭いました。天宏のある磐田市でも、土砂崩れによる通行止めや床上下浸水など、未だ復旧作業に日々追われている地域もあります。


お越しくださいましてありがとうございます。ひでひとです。少しずつコロナ禍も落ち着きが見えてきたかなぁと思いますが、以前のようにはいきませんね。なんだか鬱々とした気持ちが、いつ晴れるのだろうと思ってしまいます。


ですが、季節は確実に移ろいでいきます。稲穂は日々その色を輝かせ、実りの多き事を感謝するかのように頭を垂れ、吹く風にも秋の気配が感じられます。先日は富士山の初冠雪が報じられ、いよいよ秋本番といった気がしました。



もとより雪には、とんと縁のない静岡県西部地方ではちょいと風花が舞った程度で大さわぎ。分厚い氷でも張っていた朝には、男子はみなテンションが爆上がりでした。


さて、「初冠雪」。山の頂に冠のように積もった雪、アタクシはそう解釈していました。しかし、台風などの被害で河川などの水が道路を覆う事も「冠水」と言います。


はて???


こうなると気になりますね。冠とは頭の上に乗せるもの。なぜ、足元の地面に水がいっぱいになることまで「冠」の字を使うのか???気になって、もうご飯は一日3回しかのどを通りませんし、夜とお昼休憩の時しか寝られなくなってしまいました(笑)


漢字でも「うかんむり」とかありますね。で、誰かが怒っている様子も「あの人がおかんむりだよ」なんていう言い方もあります。カンムリワシはその名の通り、白い冠羽があることからの名で、石垣島出身の具志堅用高さんの異名はまさしく「カンムリワシ」、石垣島の天然記念物で、世界チャンピオンになった試合で「カンムリワシになりたい」と言ったことで、ニックネームになったそうです。



全部、頭が関係してるんですねぇ…。



これはどうやら字の意味にあるようです。ちょっと調べてみると「冠」には「かぶる」の意味もあるとのこと。道路や田畑などが水をかぶったことの時です。また、覆いつくすとの意味もあるようで、雪が山頂を覆いつくす様子や、水が道路、田畑を覆いつくす、と見れば、なぁるほど、その通りであります。


いやぁ、調べなきゃいけませんな。一人合点してはダメ。


アタクシたちの商いもまさに「一人合点」は禁物です。お料理ひとつにしても、それはお客様に召し上がっていただいてからが勝負です。

出来上がっただけで満足してたらいけません。味はもちろんのこと、季節感や素材の取り合わせ、器との相性や盛り付けなどなど。そして職人仕事も同じですね。自分ではこれでいいと思っていて、その手法で進めていても先輩や板長、主人に確認しなくてはいけません。普段と同じでいいだろうと勝手に解釈して進めてしまうとダメな場合もあったりします。まぁ、あんまりしつこいと「いちいち聞くな!」なんて言われることも無いとは言えないのがツライとこですが。



冠を使ったことわざにこんなのがありますね。「李下に冠を正さず」李下とは、李がすももの事。すももの木の下で冠を直すとすももを盗んだと疑われるからやめなさい、ということですな。古楽府・君子行にある「君子は未然を防ぎ、嫌疑の間に処らず、瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず」が全文です。書を習っていると漢文を探す時があるので、そこで。



ブログの久しぶりの更新といえば、天宏のウェブサイトもリニューアルしました。新しい情報は少ないのですが、スマホで見やすくしたことと、知りたい情報まで早くたどり着けるようにしました。まぁ、デザインとかカッコよさは、本業の方にはかないませんな。


今日もここまでお読みくださってありがとうございました。この次にお会いする時まで皆様にステキなコトがたくさん訪れますように。それでは、また。ごきげんよう。




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